秋のよながにそれぞれの一冊を

こんにちは。おひさしぶりです。shopの平野です。
遅めの秋がきたかのような気持ちいい秋晴れが続いていますね。
これを書いている今日も良いお天気です。

先日の皆既月食はみなさま見られましたでしょうか。
歩いている道中、くっきりと夜空に月食が現れたので思わず立ち止まりましたが
天王星と一緒に見られるのが442年ぶり?織田信長の時代からぶり?とか
次は322年後とか、今ひとつその長い年月がピンとこないけれど…。

その日のSNSでも、多くの方が月食の様子を投稿されていましたね。
本格的なレンズで撮影したのを投稿されたり、i-phoneで小粒サイズの写真を投稿されたり。
人となりが見える投稿が楽しかったのと、各方面から同じタイミングで同じ空を見ていたんだなあと。

shopの本棚

今回の読み物は何にしよう…
先ほど写真の話が出たので、写真集を絡めた本のご紹介を。
もうご存知の方もいらっしゃると思いますがshopには本棚がありまして、店内にある書籍は
兵庫県川西市にお店を構えるbooks +kotobanoieさんと大阪東住吉のLVDBさんに選書いただいています。

2021年 秋/ ヨルグラフより shop店内の風景

今回は、LVDBさんに芸術の秋をテーマとし写真集やアートを中心に選書いただきました。
表紙のビジュアルで選び部屋に飾っていただいてももちろんいいですし、作品も楽しんでいただける洋書もずらり。

おすすめしたいアートブック

こちらの”PICTURES”は今の世代で人気を得ている写真家に焦点を当て、代表する作家たちの抽象的または非具象的な写真作品を紹介したアートブック。
カメラやプリント、太陽光も利用した実験的な手法で生み出され、まるで絵を描いたような…
1枚1枚ページをめくるたび、その美しさに見入ってしまうほどです。

PICTURES / Ken Millr – 約50人の作家による200枚以上のイメージを収録


杉本博さんの作品も収録されていました。
2020年京セラ美術館のこけらおとし「瑠璃色の浄土」での杉本さんの作品のインパクトは今でも忘れられないほどです。
ちょうど自分がgrafに入社したすぐのタイミングだったのを覚えています。
仏像やガラスの作品もありましたが、大型カメラを用いた独自のコンセプトによる写真作品で太陽光を利用したこの技法の写真がとても美しく、難しく、はかなく。表現された言葉と共に強く心に残っています。
写真が捉えた被写体を観るのではなく、「写真」とは実際何なのか、ということを問いかけているような…

本書はMan Ray(マン・レイ)やSaul Leiter(ソール・ライター)の作品も収録されており、見応えがある一冊です。

Cy Twombly(サイ・トゥウォンブリ)Making Past Present

Cy Twombly / Making Past Present


アメリカ出身のアーティストCy Twomblyも好きなアーティストのひとり。
特に私は、写真が好きです。Twomblyの写真は身近にある静物がほとんどですが、主にポラロイドで撮影したその独特な色と形が混ざり合い風景に姿をかえています。光やその色合いが絶妙で…

こちらは2020年にアメリカで開催されるはずだった展覧会に合わせて刊行された書籍(パンデミックのため開催は延期)。トゥオンブリーの様々な作品を幅広く楽しむことができる一冊です。
イタリアのローマを訪れた際に古典文明に魅了され、神話や歴史、文学作品をインスピレーションとした作品を制作し絵画作品と彫刻なども多く残しています。

キャビネットや本棚に置けばこの表紙も絵になりますね。

岩波書店刊行 / 日本の写真家 全40巻より

他には、日本の写真家さんの本も数冊。
1997年から1999に創刊された「日本の写真家」
各巻ほぼ一人の写真家を取り上げ全40巻のシリーズの内の5冊です。

戦後日本を代表する写真家の一人「東松照明」さんや、これまでにない報道写真という概念を日本に持ち込んだ「名取洋之助」さんのものも。
その一冊一冊が歴史や国々の時代背景を感じれる貴重な写真集です。

文庫本もいろいろあります。
宇宙船地号操縦マニュアルが気になる…

季節の変わり目で体調など崩されやすい時期ではありますが、本を読みゆっくりとすごす時間も良いものです。
秋のよなが、今日の一冊をshopに選びにいらしてくださいね。

この記事の投稿者

1978年 大阪生まれ。アンティークショップ、インテリアショップでバイヤーと企画勤務経験を経てgrafショップスタッフに。 ヴィンテージショップや骨董市めぐりで古いものをみるのがすき。ここ数年は山登りも趣味にしてる。