容量 |
120g・250g |
原材料 |
はちみつ(国産) |
蜜源花名 |
百花蜜 |
保存方法 |
直射日光を避け常温で保存 |
栄養成分表示 |
(100gあたり推定値)エネルギー:329kcal、タンパク質:0.3g、脂質0g、炭水化物81.9g、食塩相当量:0g |
注意 |
一歳未満の乳幼児に与えないこと |
配送方法 |
佐川急便 |
小豆島の美味しい蜂蜜
こちらのワヤヤナ養蜂のはちみつは、元grafスタッフである いつおさんが小豆島で作ったもの。中身はいろんなお花から蜜を集めた、百花蜜。まろやかな甘味で使いやすく、パンとバターと合わせれば絶品。煮物などお料理にもおすすめです。
パッケージは看板屋の看太郎さんによるもの。思わず目を引く独創的なミツバチはさすがです。
今回せっかくですので、いつおさんにお話をたっぷりと聞かせてもらいました。graf在籍中は養蜂とはまるで違った世界の仕事をしていたいつおさんが、なぜ養蜂の世界に?など気になることを色々と聞かせていただいています。思いが溢れる蜂蜜は、より手にしたくなること間違いなし。ぜひ読んでみてくださいね。
なぜ養蜂家に?きっかけについて聞いてみました
養蜂家になったきっかけの特定は難しいのですが、はっきり言えるのは、最初に興味を持ったのは「養蜂家」ではなくて「ミツバチ」の方でした。
じゃあそのミツバチとの出会いは?というと、実はボクがgrafに在籍中のことでした。
一緒に働いていたプロダクトデザイナーの松井さんが、とある新聞記事を見せてくれたんですね。それは当時梅田にあったヤンマー本社ビルの屋上で養蜂をはじめたというNPOの活動紹介記事でした。別に特別なことは書いてなかったんですけど、どこか興味をそそられるところがあってミツバチに関する本を買って読んだりってのをはじめました。
ミツバチはハチミツを巣に蓄え、その巣はミツバチが分泌する蜜蝋で作られている。そしてそれらは花の蜜や花粉を元に作られている。そんなウソのような事実が、この世にメルヘンが実在するということを目の当たりにさせてくれているワケです。
そんなところに思いっきり魅了されています。
別に自然が好きとか虫が好き、とか、田舎に暮らしてぇなー、ということが前提ではないです。
養蜂家になるまでの大変だったことはありますか?
大変だったことはー、あんまり覚えてないですね。目標に到達するまで時間がかかったり、それがうまくいかなかったり、経済的なことで苦労したりとかは人並みにありましたけど、それでも養蜂の修行先のように理解や協力をいただける師匠や先輩に出会えたり、妻もヒーヒー言っているボクをおもしろがって応援してくれていたので、無駄な心配をすることはありませんでした。
ともあれ、なにか問題にぶち当たったら創造力で乗り越える。という身のこなし方はgraf時代に叩き込まれたので、無理難題はむしろあたらしいことを考えるチャンスとすら思っている節があります。なので、ホントにgrafのおかげで今のボクがあるような。。。
作っている蜂蜜について詳しく教えてください
ボクが採蜜しているハチミツは百花蜜(ひゃっかみつ)という、いわゆるハチミツのスタンダードと言うようなものです。対して昨今、単花蜜(たんかみつ)と呼ばれる、花の名前が付いたハチミツを打ち出す養蜂家さんが多くいらっしゃいます。
単花蜜が打ち出されていった背景としては、たぶん、ハチミツに様々な「バリエーション」を加えたかったからだと予想しています。バリエーションがあった方が打ち出しやすいし、他者との違いや個性が出しやすいでしょうし。
珍しい花の蜜だったら食べてみたいと思うのは当然のことでして、決して悪くはないのですが、その結果としての昨今のハチミツ市場にはそのバリエーションが出るたびに、無理矢理感を感じたりもしています、ボクは。その結果、単花蜜を推す販売方法は百花蜜の存在を「普通」もしくはそれ以下のものにしてしまっている感も否めず、それって養蜂家の自爆のように思うんだけど、ともあれ逆に「百花蜜って何?」という逆転の事態が生まれているように感じています。
単花蜜には手の込んだ仕立てや段取りがあるから簡単に採れるものではないです。技術や経験が必要。
でも百花蜜にはそういった部分を抜きにしても面白い要素がたくさんあります。そこにボクは注目しています。
そもそも小豆島には「ある花が群生 / 密生しているエリアがない」ので、花の名前を特定した蜜が収穫できないんです。つまり単花蜜が採れないってことですね。
ミツバチも、生きるために必死なのでいろんなところから蜜を集めてくる。なのでアカシアもミカンも入ってるけど、その他多数の花の蜜が必然的に入ってしまうので百花蜜扱いとなるわけです。
でも、ボクはもともと百花蜜が好きだったので、この限られた小豆島島内で採れる百花蜜を採って、百花蜜のおもしろさを発信していきたいと思っています。
百花蜜の好きなところは?
ミツバチは巣箱から半径2km前後を行動半径として蜜や花粉を集めてくるとされています。理屈で考えると、その行動半径が重ならない巣箱同士では採れる蜜の質が変わるということになります。
となると、その巣箱のあるエリア同士では植生やそのバランスが違うはずだし、山や谷があれば日当たりも変わる。日照時間も変わる。そうすると同じ植物でも開花の速さも変わるし、流蜜(花が蜜を出すこと)の期間も変わってくるはず。雨が降ったときの植物への影響も違うでしょうし、風向きも違う。いろいろ細かく違います。
花の移ろいは、早ければ一月くらいからボチボチと菜の花が咲きはじめ、二月になれば人目には枯れている山からも蜜を集めてきます(ごくごく少量ですけど)。三月の終わりから桜が咲きはじめ、四月の中旬から野山の蜜がうっすら入りはじめ、五月に入るとアカシアが、そして追いかけるようにミカンの花が咲きます。六月半ばになるとクリが咲きはじめ、その前後には知らない山の蜜がガンガン入ってきます。七月に突入する前に採蜜の作業は終わりを迎えますが、小豆島はこの六月の「知らない山の蜜」が多い印象を受けます。
ようするに百花蜜は、いろんな花の蜜が入っているということだけでなく、季節を通じて咲く花のリレーが記録されたレコードのようなものなのだ。と、ボクは捉えています。
ハチの行動半径は2km、と聞くと二次元的で平面的な印象を持ちますが、百花蜜は上記のような地域の特性を "土地の起伏も含んで" 反映される三次元的なものでもあります。そしてその地域の様子が季節(時間)を通じて記録されるという四次元的な要素も持っています。時空という奥行きを体現したものが、この金色で、甘い、形を持っていない液状のもの、だなんて、、、そんな出来すぎた話って他に無くない?
とまぁ、これがハチミツに対するこだわりというか、味わいというか。百花蜜がなぜ好きか、というところにたどり着いています。
まぁハチミツに限らず味や香りの感じ方は人それぞれだから、「このハチミツがうまい!」とは別に自分で言うことも無いなぁと思っています。
でも、こんな風にハチミツを味わってもらうことができるのはワヤヤナ養蜂だけなんじゃないかな、と思ってもいますので、養蜂を通じて体験した感動を何かしらで具現化してハチミツと共にお届けできたらなぁと思っている次第です。